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このページでは、板金加工の中でも特に建築部材の製作・製造に適した建築板金について解説しています。ガルバリウム鋼板や亜鉛めっき鋼板、ステンレスなどを活用して建築部材を作る建築板金の特徴を把握しておきましょう。
建築板金とは、金属板を材料として板金加工する技術の中でも、特に住宅建築に使用する屋根材や外壁材、ダクト、さらにはキッチンのシンクのような内装材などを製作する技術を指します。
一般的に、建築板金で活用される素材にはガルバリウム鋼板や亜鉛めっき鋼板、ステンレスなどが知られており、目的とする建物の種類や規模、使用される環境などによって多種多様な製品が求められることも特徴です。実際、個人の住宅のような小規模建築から、巨大な施設や建物のような大規模建築まで建築板金の需要は様々です。そのため建築板金には専門のノウハウや技術が必要になることも少なくありません。
板金加工には建築板金の他にも、大きく分けて以下のようなジャンルが存在します。それぞれの板金加工にノウハウやテーマが存在しており、専門の技術や知識が重要です。
工場板金は、様々な工業製品に利用される部品や製品を、金属板から加工して製作する技術です。工場板金は目的やサイズによって多種多様な技術が細分化されており、適切な製品や品質を追求するためには、それぞれ経験を積んだ技術者や適正な機能を有する加工機の存在が求められます。
工場板金の加工業者を探す場合、業者の得意分野や加工実績についてもあらかじめチェックした上で比較検討しなければなりません。
自動車板金とは、事故その他の要因によって凹んだ自動車のボディを修復したり、自動車のボディや部品に使われる素材を金属板から製作したりするための板金加工技術を言います。
自動車板金は工場板金とは異なる技術体系で構築されており、きちんとした仕上がりや品質を叶えるためには相応の技術と設備が必要です。
ガルバリウム鋼板は鋼板と合金層を重ねた素材であり、亜鉛のみの鋼板(亜鉛鉄板)と比較して耐熱性が向上されていることがメリットです。ガルバリウム鋼板の上に重ねられる合金層は通常、アルミが55%、亜鉛が43.4%、そしてシリコンが1.6%となっており、亜鉛100%の亜鉛鉄板と比べて複数の元素が混合されています。
また、加工性に優れたガルバリウム鋼板は耐食性にも優れており、酸性雨や酸性雪の降るエリアや、海辺のエリアといった気候環境的にリスクのある場所でも使われやすいことがメリットです。
亜鉛めっき鋼板はトタン板や亜鉛鉄板とも呼ばれており、鋼板の表面を亜鉛めっきによって処理した建築部材です。亜鉛めっきによる亜鉛被膜で鋼板の表面をカバーすることで保護膜を形成し、腐食や変色を予防して鋼板の耐久性を向上させています。また、鋼板に小さな穴や傷が発生した際に、下地の鉄よりも亜鉛が優先して腐食することで鉄が錆びるのを防ぎ強度を維持する「犠牲防食効果」を有しているのも特徴です。
めっき方法は複数ありますが、一般的には高温で溶融させた亜鉛に鋼板を浸して付着する融解亜鉛めっき鋼板が利用されます。
ステンレスはクロム(12%以上)が添加された鉄であり、優れた防錆性を有する高合金鋼を指します。ステンレスは内部に含有されているクロムが大気中の酸素と反応し、素材の表面に酸化膜の薄膜を形成し、これによって空気と遮断されて腐食性が高められるといった仕組みです。
加えてステンレスは耐熱性や強度に優れており、同時に加工しやすいといったメリットがあります。そのため建築部材として様々な目的に利用されていることが特徴です。
板金加工で製作される建築部材・住宅部材として、屋根材は代表的なものの1つです。
瓦屋根よりも重量が少なく、構造体への物理的な負担を軽減させられる上、設計や加工の自由度が高いといったメリットがあります。また、鋼板を利用することによって耐熱性や熱反射性を高められるため、省エネ住宅の設計にも有効。瓦屋根を模した金属瓦もあり、違和感なく使用できるのが魅力です。
外壁や壁材にも建築板金が利用されます。条件に合わせた金属素材と断熱材や表面材を組み合わせて、断熱性や耐久性、防音防水性などを総合的に高められることが重要です。また、長期間にわたって色あせを防ぎやすくデザイン的にも注目されています。
反面、金属製の外壁は傷がつきやすく、状況によってはサビが発生してしまうデメリットがあることは念頭に置くべきでしょう。
雨樋は悪天候時に雨水の処理や排水をスムーズに進めるために不可欠なポイントであり、耐久性や耐候性に優れた素材によって製作されなければなりません。
一般住宅においては樹脂製の雨樋が一般的ですが、ガルバリウム鋼板やステンレス製の雨樋も活用されるようになっており、樹脂製よりも金属製の雨樋の方が様々な点でメリットを有します。
外壁だけでなく、軒天井や破風など様々な外装部分についても、建築板金やガルバリウム鋼板などの素材が利用されています。
特に日本のような多湿エリアにおいてはガルバリウム鋼板ほか、耐食性に優れた素材を活用して外装をカバーすることで、デザイン性と耐久性の両面をケアすることが特徴です。
室内と屋外をつなげ、空調機械の一部として空気が吸排気される時の通り道になるのがダクトです。
ダクトには亜鉛鉱版やステンレスなどの薄板が使用されており、飲食店や工場など油汚れが顕著な環境ではステンレスを利用して清掃時の負担を軽減しています。なお、ダクトの接合には溶接でなくシーミング(ハゼ組)という技術が使用されます。
ステンレス製のシンクほか、住宅の内部でも日常的に利用する建築板金の製品は少なくありません。
住宅内部で使われるシンクはレーザー加工機やベンディングマシンなどの加工に加えて、手板金による加工や仕上げの表面処理など複数の工程が重ねられています。また、その他に静音加工や防汚加工が施されることもあるでしょう。
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